2014年3月12日水曜日

4.13差別・排外主義にNO! 第2回討論集会


4.13差別・排外主義にNO! 第2回討論集会

~ 攻撃された当事者は何を思う?  私たちはどうつながるか? ~

本年2月25日岩波書店より『ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件 - 〈ヘイトクライムに抗して〉』が刊行されました。著者の中村一成さんが、当事者のみなさんが「何を思い、何を考えた」のか、取材を重ね文章に紡いで下さいました。
私たち差別・排外主義に反対する連絡会は、著者のジャーナリスト中村一成さんと弁護士の金哲敏さんをお招きして「私たちの仲間の思いをたどる」場を企画します。皆さん、ぜひご参加ください。

【日時】2014年4月13日(日)
(13時15分開場、13時30分開始) 
【場所】文京区民センター 2A会議室 
(都営三田線/大江戸線春日駅A2出口 徒歩0分)

第一部 報告 攻撃された当事者は何を思う?
 中村 一成さん(ジャーナリスト)
 金哲  敏さん〈弁護士〉

第二部 討論 私たちはどうつながるか?
パネルディスカッション
              中村 一成さん、金哲敏さん
       差別・排外主義に反対する連絡会、他

 ※資料代 500円
 ※集会終了後、同会場にて交流会を行います。
      おいしい料理付きで、飲食代込み2000円です。ふるってご参加ください。
   ★持ち込み大歓迎です。

2014年3月11日火曜日

Column No.04  「職に就くということ」 By でもしか

 2010年の秋、ある在日コリアンの団体が主催する講演集会で目にした光景です。その集会は、在日朝鮮人の人権の現状と課題を考える集まりだったのですが、集会の終り頃、壇上に若い弁護士数人が登壇しました。そして、司会者から「今年から弁護士になったメンバーです」と、一人づつ紹介されていました。
 学生からすぐに司法修習に入った人達なのでしょう、みんな20代と半ばと思われる若さで、初々しさが漂っています。
 それぞれ挨拶するのですが、みんな異口同音に「同胞のために頑張る」ということを発言します。その挨拶に、会場からは大きな拍手と、「頑張れ!」「頑張って!」の掛け声が何人もの人から飛びます。ものすごい熱気でした。若い弁護士達への熱い想いが、ビリビリと伝わってきました。
 ああ、何とうらやましい光景でしょう。就職する時に、こんなに多くの人達から祝福され、そして期待される ‥‥自分が職に就くということが他人のためになるのだということを、この若い弁護士達は肌身で感じたはずです。こんな体験をできる日本人はめったにいません。日本人の場合は、祝福されたとしても、せいぜい家族や友人レベルですから。
 「同胞のために頑張る」という挨拶の言葉に思います。彼・彼女らが弁護士になったのは、「社会のため」「人権のため」という抽象的な動機からではないのです。彼・彼女らの目には「同胞」(いうまでもなく在日コリアンです)という明確な人々の姿と生活が映っているはずです。自分は何のために働くのかが、はっきりとしています。どんなにやりがいのある仕事になることでしょう。たいした目的意識もなく、なんとなく流されて無難な就職をしたわが身をあらためて振り返ります。

 一方でこの光景の裏側には、在日コリアンが置かれた人権状況のひどさがあることを思います。それだから弁護士にあれだけの熱い期待を寄せざるをえない。そう読み変えてみると、これからこの若い弁護士達が直面するであろう多くの醜い現実を作ってしまっている側の人間として、いろいろ考えさせられます。ただ感動しているだけではいけないなあと。