2015年9月15日火曜日
6.27差別・排外主義にNO! 番外討論会報告
連絡会からは、はじめに3つの論点を提起しています。
1つ目は「ヘイトを取り巻く状況」です。現在、〈在特会〉の「スケープゴート」化により政府・世論・国民が極右化しています。ヘイトスピーチが記号化されその実態が問われない中、この状況を変えるには、当事者の被害と向き合い連帯し、欺瞞の戦後「民主主義」(土壌)を根底から変えて、その筆頭である安倍政権を終わらせる事です。
2つ目は「カウンター」についてです。「カウンター」(総称)の戦術転換(発展)として行政・議会・警察等への働き掛けや街頭以外への拡大がみられます。その中で「国家権力の強権化の問題性」が絡むものは「慎重に吟味」して対応する必要があります。
3つ目は「法的規制」です。参議院に『人種差別撤廃施策推進法案』が提出されました。大阪市では『ヘイトスピーチへの対処に関する条例案』が提出されたものの継続審議となりました。法案の成立には、「立法化大衆運動」による世論形成が必要で、当事者主体の議論のもとに国家権力強化の問題性を踏まえつつ検討していく事が望まれます。
そして鵜飼哲さん(一橋大学教員)には、フランスのレイシズムとそれに対する運動について話をして頂きました。フランスは過去のナチズムや植民地主義の歴史から、レイシズムに関して表現の自由を優位に考える国ではないという事、公権力が様々なタイプのデモを禁止している為(抗告は可能)、運用の仕方については非常に多くの批判があるが、法律そのものがいらないという人は誰もいないというお話がありました。日本の『人種差別撤廃施策基本法案』で設置される「人種等差別防止政策審議会」は、フランスの『人種差別禁止法』での「国立人権諮問委員会 (CNCDH)」のように完全な独立性を求めていくべきであるという指摘もされました。
審議会の独立性に関して、障害を持つ当事者の方からも、『(改正)障害者基本法』で定められた「障害者政策委員会」での政府による当事者排除、委員会の見解を無視している現状(精神病院の病棟を居住系施設に転換)の説明があり、法案で設置される審議会は、政府から独立しなければいけないとの発言がありました。
『ヘイト・スピーチ法 研究序説』(三一書房)を出版された前田朗さん(東京造形大教授)は、まず国家がヘイト団体に協力するのを許してはいけない、次にしかし同時に国家権力を強化してはならないという議論の順番ではないかと話されました。
他の方からは、在日朝鮮人(コリアン)への被害調査で、当事者の生きる意味が失われているという事象があり、ヘイトクライムは犯罪なんだという規範がある事でヘイトはダメだと言える状況が必要という意見もありました。
女性からの発言で、『男女雇用機会均等法』も賛否両論あり作られたが、平均賃金自体が全然上がらないし、女性差別はいけない事になったがなくならないといいうお話がありました。そして朝鮮学校襲撃事件について、裁判を闘う上で差?はいけないという法律が欲しいという切実な声があるのを受け止めていく必要があり、法律の問題がでているが力関係の問題で、運動の中でどうしていくかという事だと思うと話されていました。
第1、第2の論点である現在の状況とカウンターに関連する意見では、カウンターや学生らによる戦争法案への反対運動が持つナショナリズムに対する批判もありました。議論するには、客観的に正確に事実関係等の情報の共有化がないとなかなか難しい、対案を出して説得していく他、実践や様々な取り組みの中で信頼を得ていく等の話がされました。関連して、「国益」を求めて行動する世界を根底から引っくり返さないとなくならない等の意見も出されました。
カウンターとヘイト側を一番コントロールしているのは実は警察で、警察の力を宛てにする傾向が出てきているので、安易に国家権力のコントロールを招いてしまうという運動側の弱さへの指摘もありました。
最後に鵜飼さんから、日本国家があまりに突出した方向にいき、 これは全体主義に他ならないもので、憲法の問題ももはや改憲派と護憲派の対立ですらなく、今日議論された、ここ数年ヘイトスピーチで起きている問題とよく似ているという話をされました。法制定の問題もあるが、最終的には我々の力を高めていき、我々自身の闘いとして貫徹できるかという事に尽きると締めくくられました。
討論会全体を通して、法的規制に関する意見が多くみられました。
当日に交わされた様々な意見を、今後の方向性や行動する上での基盤に組み込んで、ヘイトスピーチ、差別・排外主義との闘いを深化させていきたいと思います。
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